- ガートナーのテクノロジオーハイプサイクルは、250種類以上あるとされるテクノロジー中から25種類が厳選される非常に狭き門だが、一度掲載されたら必ず世に出るわけではなく、特に黎明期~ピーク期までは非常に入れ替わりが激しい。2013年版のVRのように普及期から突然出現する場合もあるが、最新の動向を把握することができる。2021年版はAIとブロックチェーン関連が多く、どちらも産業レベルの応用が期待されている。
- 2021年はQ3の途中で前年を上回る投資額に達しているが、ディール件数はさほど伸びていないことからディールサイズの大型化がみられた。レイターステージを中心にその傾向が強いが、アーリーステージでもSeries A以降は$100Mを超えるメガラウンドラッシュとなっている。レイターはExitに向けてディールを積み上げるプロセスに入るため既に普及期に入ったテクノロジー領域が多いが、アーリーは今後3年~5年の市場創出に向けたイノベーティブなスタートアップが多い。
- ESG投資における最近のトレンドは、事業領域をSDGsに直接充ててくるスタートアップは1割程度と少ないが、経営スタイルにESGの観点(カーボンオフセット、ガバナンスなど)を織り込むことが前提になりつつある。またバイオテクノロジー系のスタートアップが非常に多く、特に大型ラウンドでは3割を占めていることから、AIを使った創薬プロセスの改革や遺伝子編集などは、ハイプサイクルのトレンドと合致する。
- 伝統的VCは未来の全く新しい社会構造を見据え、それを実現するスタートアップと伴走、世に送り出す。Tigerは投資家目線でスタートアップの収益性に着目し、IPOさせることで上場市場を豊かにする。伝統的VCの存在はTigerの投資先ポートフォリオを豊かにし、Tigerの存在は伝統的VCとスタートアップが描く未来を実現に近づけてくれる。
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元データ:PowerPoint、80スライド、A4サイズ