Healthcare、Retail Tech、Fintechの主要3セクターは、コロナ禍以降、ディール件数とサイズが拡大傾向となり、2021年Q3の投資金額はいずれも$30Bに達している。最も伸びが大きいのがRetail TechでEC市場の拡大が追い風となり、次いでFintechでこれもオンライン決済拡大の恩恵を受けている。Healthcareもコロナ禍の影響でオンライン診療や在宅ケアなどが拡大。
Series C、D、E+までの3ステージにおいて共通するのは、2021年Q3まで3クォーターで2020年のフルイヤーを件数、金額ともに上回る状況となっている。各ステージのトップ30の投資金額レンジは、Cが$200~$750、Dが$230~$1.1B、E+が$310~$1.6Bとなっている。アーリーステージでは将来性を評価してBiotech系の急増が見られたが、レイターステージではFintech、Retail Techが既に市場に多くの顧客を保有し、収益性が評価された投資となっている。
イノベーションのタイプがビジネスモデル(DXによる変革)のスタートアップが全体の5~6割で最多、この場合、既存のオールドエコノミーのディスラプトがメインターゲットとなる。イノベーションのタイプがテクノロジー(新技術の開発)のスタートアップは全体の2~3割と少なく、この場合、スペーステックやブロックチェーンなど未来の新たな市場の創出がメインターゲットとなる。後者のテクノロジーのタイプの場合、収益化までに長期間と大規模な投資を必要とするが、新たな産業を生み出すポテンシャルは最大で、育てる投資ができる伝統的なVCの強みが最大に発揮される分野である。
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元データ:PowerPoint、68スライド、A4サイズ