組込型金融のターゲット市場は33兆ドルで、2022年の実績は663ドルのため、500倍の成長余地がある。市場の成長に伴い、レンディング分野のデフォルトなどマイナス面が表面化すると、欧米の規制当局は監視や取り締まりを強化する新たなステージに入っている。
組込型金融は決済、融資、預金などのバンキング機能から拡大しており、近年は保険、投資など新しい分野の実証実験やケーススタディの増加しつつある。米国では年収中央値(4万5千ドル)以下の国民の家計は赤字で、投資による資産形成を体験するなど、金融リテラシーの向上が必要とされる。
組込ニーズが高い業界は、国民の金融資産を預かる機関投資家(銀行、健保組合、年金機構、企業の財形など)である。しかしイノベーションが期待されるのは、消費者向けサービス(スーパーアプリやショッピングなど)でカスタマージャーニーに自然な形で投資が組込まれる。
組込型金融の中でも「投資」は最も新しい分野のため参入プレイヤーは少ない。従来のロボアドバイザーがホワイトレーベルの完成品やDIY用のAPIを提供したり、顧客ロイヤルティのプラットフォーマーが参入するなど、今後は隣接業界のプレイヤーに拡大するとみらる。
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元データ:PowerPoint、64スライド、A4サイズ