従来のマス広告、デジタルのターゲティング広告に次ぐ新たな成長市場として、既存顧客に対する広告が注目されている。Customer Successを進化させたビジネスモデルであり「既存顧客はエクスパンション(クロスセル、アップセルなど)の潜在顧客である」と再定義することで、CLTVの最大化を狙う。これは将来の利益の80%は既存顧客の20%から生み出されるというファクトに基づいている。
漏れの大きいダムにいくら水を貯めても水位があがらないように、アクイジション偏重型のマーケティングでは、既存顧客のチャーンレイトの上昇を招く。しかしチャーンの防止は売上の維持にはなるが、拡大には繋がらないため、エクスパンションによる売上拡大とテックタッチによるコスト削減の両立を図る必要がある。これが成功すればKPI=NRR(Net Revenue Retention)が100%を超えることも可能である。
契約継続年数や契約金額が高い顧客をロイヤルティプログラムに誘導するだけでなく、外部に影響力の高い顧客はプロモーターとして活躍してもらうためのアドボカシープログラムも提供する。これによりCustomer MarketingはPost-Saleフェーズに閉じることなく、Pre-Saleフェースにおいても高い効果を発揮することができる。一度、遠くに離れてしまった顧客を呼び戻すのは新規顧客の獲得よりもコストが掛かるうえ、将来の機会損失も加算されるため、企業にとってのダメージは非常に大きい。
良いサービスを提供すれば顧客は定着し、評判が高まり、新規顧客も増加するはずだが、現実は厳しい。競合サービスの出現や経済情勢の悪化などに応じて、積極的に既存顧客に向き合う姿勢が求められる。
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元データ:PowerPoint、56スライド、A4サイズ