- スキルギャップは機会損失
–パンデミックなど経済環境の転換点では、雇用が減った産業から需要の高い産業に人材の流動化が起こる。
–リスキリングに成功したフランスやアイルランドは全体の雇用が増加、その反対に失敗したコロンビアは需要の高い産業に空きポストができ、全体として雇用が減少するスキルギャップが生じている。
–同業に企業内でも人材流動を前提とした教育環境の整備が、スキルギャップの解消に大きく貢献する。
- 専門スキルの分散化
–近年の新たなトレンドで、例えば2016年に経営者が最も重視したSTEMはノーコード開発等の普及で誰もが使えるスキルになり、2023年はトップ10圏外に脱落した。
–それに代わって時間を有意義に使う能力やチームで結果を出す能力など、人間固有の能力が重視される傾向となっており、今後AIにおいても一般社員の基本スキルになる可能性が高い。
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- AIスキルは業種で濃淡
–AIスキルはヘルスケア、ファイナンス、プロフェッショナルサービス等の業界の労働者にとって不可欠なスキルになるとみられる。
–2023年にスキル需要で15位だったAIスキルは、2027年までに3位となる見込みで、12ランクアップは全スキルにおいて最大である。
- DXは自動化、AIは労働力の拡張
–結果に対するコントロールの方法が異なり、DXは誰が使ってもプログラム通りの結果が得られるのに対して、生成AIは使う人間や入力するプロンプトによって、結果が大きくことなるため、想定範囲に収まるようにガードレールが敷かれる。
–DXは労働力をシステムに置き換えて自動化するが、生成AIは人間の労働力にAIの能力が上乗せされることで、労働力が拡張される。
–IT投資を重視したDXに代わり、生成AIはそれを使いこなす人間を重視したオペレーションモデルとなる。
レポート形式:PDF (7.50MB)
元データ:PowerPoint、78スライド、A4サイズ