2021年は史上最大のVC投資となり、多くのスタートアップが将来受けるべき投資の先取りに成功した。しかし昨今、インフレや利上げなど経済情勢は一変、消費者も外出制限から解放されるなど、この一年で市場環境は大きく変化した。これに伴い2022年は、高額過ぎた投資の見直し、雇いすぎた雇用の調整、早すぎたデジタル化からリアルへの回帰など、「揺り戻し」現象が起きている。
Fintechは新興国のモバイル金融のプレイヤーが出揃い(投資が一巡)、先進国に投資が回帰する兆候で、年内にはコロナ前の投資水準(四半期)に戻るペースで推移。コロナ禍のEC拡大の恩恵を受け、オンライン決済の投資は依然として活発で、先進国の成功モデルを輸出したモバイル金融も期待され、リモートの定着によって採用のグローバル化が新たな常識になってきた。
Retail Techは先進国から成長力のある新興国に投資がシフトし、Fintechと同様、年内にはコロナ前の投資水準(四半期)に戻るペースで推移。外出制限で急成長した宅配ビジネスは、新たな付加価値競争を展開、我々の生活に定着したEC業界は社会的責任や仕組みの底上げのステージに移行している。
Digital Healthは既にコロナ前の水準に回帰、外出制限の解除でデジタルデバイドや高齢者が通院できる日常を取り戻し、収益改善を望む医療機関はそれを歓迎、デジタル領域の投資が減速した可能性がある。自宅療養や通院管理はマンパワーからデジタルパワーの時代を迎え、AIは医療業界で人の能力を超えたパフォーマンスを発揮する一方、患者だけでなく医師や看護師にも寄りそう仕掛けが求められている。
レポート形式:PDF (5.0MB)
元データ:PowerPoint、73スライド、A4サイズ