世界経済フォーラムによると、2023年の最大のリスクはインフレによる「生活コストの上昇」だったが、2024年は生成AIによる「誤情報と偽情報」がそれを上回った。2024年は選挙イヤーで、1月の台湾総統選挙では中国によるとみられる大量の偽情報が拡散、生成したAIの悪用は重大な地政学リスクになっている。
中国ではAIの合成コンテンツに透かしを入れることを義務化、米国では11月に米大統領選挙を控えて、カリフォルニア州では9月に偽の画像や動画の生成を違法とする州法が成立するなど、生成AIの悪用に対する規制面のデリスキリングが各国で始まっている。
G7の先進国が覇権を握る世界から、新たにE7やグローバルサウスなどの新興国や資源国に多極分散化、2030年までにGDPでG7をE7が超えるとみられ、世界のパワーバランスは転換期を迎えている。マルチバースによって世界はパートナシップより、デカップリング(技術分離)に動き、特にAIや半導体、量子コンピュータなどの成長分野において、関税の引き上げや対外投資の制限などが計画されている。
気候変動は長期的な地政学リスクのトップにあるが、科学の予測を超えるペースで猛暑や自然災害が発生、米国ではGX(グリーントランスフォーメーション)を積極的に進めるが、欧州ではGXコストの上昇による炭素技術への回帰など、世界の気候政策にはひずみが生じている。
生成AIを自動運転車両やフォークリフトなどの産業機械、製造ラインのロボットなどに搭載することで、AIはデジタル世界だけでなく現実世界にも影響力を持ちつつあり、Embodied AIの波が予想される。
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元データ:PowerPoint、58スライド、A4サイズ