建設業のConstructionとTechnologyを掛け合わせたのがConTech領域である。建設業は自動車に次ぐ巨大な産業だが、FA(ファクトリーオートメーション)がスタンダードな自動車とは対極にあり、DX(デジタルトランスフォーメーション)が最も遅れている分野の一つである。
近年はVCの投資額が約3億ドル(2016年)から90億ドル(2019年)に急増、ディスラプトの機会が多い産業として、多くのスタートアップが参入している。
古来より変わらぬ現場での建築は、下から上に向かって順番に施工するため(基礎が固まらないと躯体や内装に行けないなど)工期が長い。工場内の作業とは異なり、屋外のため天候に左右され、工程は計画通りに進まないことも多い。
こうした背景から現場における資材調達は計画搬入ではなく、オンデマンドかつ短納期のニーズが高まっており、多くのスタートアップが参入している。
他方、建築業界の最大のイノベーションは、BIM (Building Information Modeling)の導入である。各国政府は今後建築される大型の建造物について、BIMによる設計を義務付ける方向である。BIMは従来のCADによる設計に代わる方法として注目されているが、その効果は設計業務の効率化に留まらない。
昨今、建設現場では、作業員の減少が大きな課題となってる。これに対して、重機の遠隔操作で効率化を図る動きもあるが、オペレーターの人数にも限界がある。その一方でロボティクス技術のの進化により、世界の建設現場では数多くの自動施工のロボットが活躍している。
BIMはロボティクスとの連携で最大の効果を発揮する。
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元データ:PowerPoint、109スライド、A4サイズ