2023年、一大旋風を巻き起こした生成AIは、労働人口が減少する先進国において、生産性を向上する新たな打ち手として期待を集め、企業を中心に導入が広がっている。その一方で消費者サイドは、生成AIに質問することで回答を得る体験で止まっており、AIによる消費市場の拡大には至っていない。
Gartner社は2024年の戦略テクノロジートップ10の中でMachine Customersを取りあげ、将来的に消費市場の拡大にAIが貢献する可能性を示唆した。先進国は労働人口の減少に直面、特に日本はこの30年間GDPが横ばい、IMFの最新データによると2023年は一人当たりのGDPで日本は34位に転落している。
今後も少子化の影響でGDPの減少が予想される日本において、Machine CustomersによるGDPの貢献は一時的な刺激策とは異なり、恒久的な成長要因になる可能性がある。Machine Customersには、既存市場をAIが代替する領域と全く新たな需要を生み出す領域の２つがあり、後者はGDPの拡大が期待される。
B2BではIoTを搭載した産業機器が自律的にサプライヤーから調達、B2Cではスマートフォンを所有する消費者が専用のAIエージェントを持ち、本人の代理として購入や契約を自律的に行う。後者に関して、企業目線では新規需要のプラスの側面と、収益にマイナスの側面（値下げ交渉や契約のキャンセル、スイッチングなど）があるため、諸刃の剣である。
こうした状況に企業側もAIエージェントで対抗するようになるため、将来的にはM2M（Machine対Machine）の市場が拡大するとみられる。
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元データ：PowerPoint、68スライド、A4サイズ