従来の自動化はプログラム通りに動くことが前提で、品質をコントロールしやすいことから、企業が業務に利用するには最適である。その反面、柔軟な対応が難しく、意思決定には必ず人間が介在するなど、どんなシステムでも「人間が判断を任せる」というレベルには到達できていない。
生成AIはアウトプットを生成してみないと分からないため、品質のコントールが難しく、何度も再試行することになり、返って労働生産性が落ちるリスクがある。プロンプトエンジニアリングで事細かく指示するれば、生成AIは期待に近いアウトプットを生成するかもしれないが、結局は人間のスキルに依存するため、組織として業務品質を担保するのが難しい。
AIエージェントには従来のシステム化や生成AIに欠けている「自律性」があるため、これまでより大きなカタマリでタスクを依頼することができる。従来は任せられなかったような重要な意思決定も含めて、人間が介在するポイントが大幅に減少するため、誰が使っても労働生産性の向上が期待できる。
AIエージェントだけでなくAIモデル全般の問題として、AIモデルを提供する企業の収益化がある。現在はサブスクリプションの料金体系が主流だが、複雑な計算処理と膨大な消費電力に掛かるコストはユーザーが使い込むほどに上昇するため、いずれ破綻する可能性が高い。未来に渡って持続可能なサービスを提供するためには、新たな課金システムが求められる。
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元データ:PowerPoint、73スライド、A4サイズ