生成AIに個性はあるか?
多くの学生が提出した課題の内容があまりにも似通っている…、調べてみると生成AIが使われていた、そんな事例が増えている。この事象を捉えて、生成AIの広がりは思考の多様性を損ない、没個性に繋がるリスクがあるとする見解があるが、いささか早計である。
誰が使っても同じ結果を出力する従来のシステム化とは異なり、入力するプロンプトに人間の個性が発揮されれば、生成される結果にも個性が反映されるのが生成AIである。入力するのは自然言語(プロンプト)だけでなく、写真や動画などマルチモーダルになるほど、世界に一つだけの結果が生成されるため、そこには個性が生まれる。
生成AIは正解を正しく答えることもできるが、それは従来のシステムでも可能で、最大のイノベーションは正解のない多様な結果を生み出すことにある。しかしテクノロジーの進化に規制が追付いていない側面あり、コンプライアンスや人間社会の常識、倫理観などの”ガードレール”の設置が急務である。