スキル距離

成功する転職とは何か？それは賃金の上昇に他ならない。同じスキルセットで転職先を探すと、例え競合他社であっても賃金相場は大きく変わらない。そこで重要になるのが「スキル距離」という考え方である。転職しようとする職業に求められるスキルと現在の自分が持っているスキルとのギャップと言い換えることができる。恋愛に例えるなら、憧れの異性がいたとして、その人の好みのタイプが自分と大きく異なる場合、告白しても失敗する可能性が高い。そこでダイエットしたり、外国語を勉強したり、自分を高めることで告白が成功する可能性が高まる。転職も同じであるが、仕事においては適切な距離が存在する。スキル距離が10%なら現在より賃金が上がる仕事に就ける可能性は低く、反対にスキル距離が80%なら、今のスキルをほぼ捨てることになり、現実的ではない。一般的には30～50%までの距離が妥当とされ、賃金上昇率も30～45%になり、転職が成功する。米テック企業を中心に人員整理が話題になっているが、人材流動という観点では一過性ではなく、社会全体として持続的な仕組みと捉えることができる。米国はレイオフは人生の終わりではなく、スキルを上げて、高賃金の職業に就くチャンスとして考えられている。